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謹賀新年

  • 真宗寺 null
  • 1月1日
  • 読了時間: 1分

 「人ばたすくる坊さんになれよ」。真宗寺に五十年の長きにわたり、ご縁を結んで下さった西村文子さんの言葉だ。私が住職になった時に、この言葉を送ってくださった。

 その西村さんが真宗寺に向かう道中の駅で、くも膜下出血で倒れ、意識の戻らないままに亡くなっていった。「はってでも、死ぬまで真宗寺に来るぞ」と常々言っていた言葉の通り、最期まで真宗寺に心を向け、足を運び続けてくれた。

 西村さんは、若い頃から水俣病患者のところに通い、あんまをしたり鍼灸をしたり、生涯患者の方々を思い続けてこられた方だ。

 今年で水俣病公式確認から七十年になる。私たちは今、水俣から何を学ぶのか。毒に侵された海を埋め立ててきれいにしたら、水俣病の問題が解決したのではない。埋め立てられた海の底に、今もなお毒がある。その毒に侵された海を私たちは感じ続けていかなければならない。私たち人間の罪業をどこまでも引き受け続けて下さっている海や大地がたしかにそこにはある。

 人を助けたいけれど助けられない。寄り添いたいけれど寄り添えない。「なんばしよっとか」という西村さんの声が今も私に響いてくる。


本年も宜しくお願い致します。


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