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真宗寺について
誰もがただいまと言って帰れる如来の家
真宗寺第十四世住職 佐藤 薫人
真宗寺は、熊本市東部に位置する江津湖という湖の近くの健軍町にあります。1588年肥後国国主として加藤清正が熊本に入国し、江津湖の周りにあった湿地帯(沼地)に江津塘(堤防)を築き、田んぼができるように整備しました。その江津塘の周りには多くの集落ができ、その集落の人々の「近くにお寺がほしい」という願いにより、1613(慶長18)年に真宗寺が建立されました。
私は富山県の生まれで、真宗寺は母親の実家にあたります。1991(平成3)年に、台風被害によって本堂が全損。本堂を再建するにあたり「後継ぎをきちんと決めて、後を継ぐ者に本堂が建っていく姿を見ていってほしい」という願いのもと、当時小学5年生だった私は、母の故郷である真宗寺に養子として入寺しました。そして、現在の本堂が1994(平成6)年に再建されました。その後、2008年に住職に就任。2016(平成28)年の熊本地震では庫裏が全損し、新しい庫裡が2019(令和元)年に落成しました。
真宗寺は、御正忌報恩講、春秋の彼岸会、研修会、盆踊り、除夜の鐘つきなどを行っているほか、毎月28日には定例法座を開催しています。また寺報『微妙音』の発行にも取り組んでいます。
私は、お寺という場所を「赤提灯」のように、ふらっと立ち寄れて、ふらっと帰れる場所にしていきたいと思っています。その原点は祖父である前住職の生き方にあります。前住職は「お寺を開放する」と言って、非行や引きこもりなど、悩み苦しみ迷いを抱える若者たちに、お寺の一切を開放し、「日々の生活を通して一緒に敎えを聞いていく」ことに生涯を尽くしていきました。その願いを引き継ぎ、「誰もがただいまと言って帰れる如来の家」として、この真宗寺を開いていきたいと思っています。
時代の変化の中で、お寺はご門徒との関わりだけではなく、インターネット上など、多種多様で目に見えない所の声までも拾っていく場所であらねばと思っています。どうぞいつでも「ふらっと」来てください。真宗寺の仏さまが、みなさまを温かく迎えて下さいます。
宗派
真宗大谷派
<しんしゅうおおたには>
寺号
無量山 真宗寺
<むりょうざん しんしゅうじ>
本尊
阿弥陀如来
<あみだにょらい>
宗祖
親鸞聖人
<しんらんしょうにん>
本山
東本願寺
<ひがしほんがんじ>
所在地
熊本市東区健軍4-17-45
連絡先
境内施設
本堂
平成3年(1991年)の台風被害によって以前の本堂が全損。
平成6年(1994年)に再建されました。
檸柱や欄間は旧本堂に使われていたものを再利用しています。
庫裡
平成28年(2016年)の熊本地震によって庫裡が全損。
令和元年(2019年)に再建されました。
木組み・土壁・石場建ての伝統構法で建てています。
山門
寛政元年(1789年)建立で、熊本地震後に瓦の葺き替えと耐震補強を施しています。
鐘楼堂
天保7年(1836年)建立で、熊本地震後に瓦の葺き替えを施しています。
阿弥陀三尊堂
阿弥陀如来を中尊とし、その左右に左脇侍の観音菩薩と、右脇侍の勢至菩薩を配する三尊形式です。
真宗寺と由来のある三尊像で、以前は益城町馬水にあったお堂が取り壊される際に真宗寺で引き取り、修復した後に本堂前のお堂に安置しています。
地蔵堂
寛延4年(1751年)に造られた地蔵石碑で、以前は真宗寺山門前にあったものを、真宗寺境内の中に移動し安置しています。
石牟礼道子の墓
真宗寺とご縁の深かった作家、石牟礼道子さんのお墓です。平成30年(2018年)に亡くなられ、令和4年(2022年)に真宗寺境内に建立されました。